不用品リサイクル情報案内システム

不用品リサイクル情報案内システム

不用品リサイクル情報案内システム「いつでもフリーマ!!」
京都市環境局

ごみ減量意識の高まりに応えるためにサービスを拡張
電話・FAX・ネットから気軽にフリーマーケット

ごみの減量や資源の有効活用意識の高まりを受けて、フリーマーケットやバザーなどのイベントが各所で行われている。しかし、会場に足を運ぶのが面倒であったり、今すぐに不用品を処分したいなどのケースもある。一方、インターネットではオークションサイトが活況だが、ネット環境に無縁な人も多い。京都市では1997年、誕生間もないVOISTAGEを使った、電話・FAXによる不用品情報案内システムをスタートさせた。自治体による不用品情報への取り組みとしては全国に先駆けたシステムといえる。運用後10年を経過して、このたびそのシステムが「いつでもフリーマ!!」として大きくリニューアルした。

京都市環境局USER8s VOICE

ごみ減量・リサイクル意識の高まりの中で

リサイクル情報案内システム「いつでもフリーマ!!」をサービスする、京都市環境局 循環型社会推進部 循環企画課に瀬川課長を訪ねた。「システムをご紹介するには、その背景となっているごみ問題を抜きには語れません。」と、瀬川課長は切り出した。

「京都市では、96年に市民・事業者と市が三位一体となって、増え続けるごみ問題に対処するためのパートナーシップ組織『京都市ごみ減量推進会議』を立ち上げ、ごみ減量やリサイクルに関する啓蒙活動に取り組んできました。
その一環として翌97年、『いつでもフリーマ!!』の前身となる、『不用品リサイクル情報案内システム』のサービスをスタートしました。

VOISTAGEの音声応答技術を使い、電話やFAXで、自宅に居ながら無料で不用品情報の登録や検索やできる、当時としては先進のシステムでした。初年度には1千件近い成立件数を記録したほどです。」

2000年には、京都市のごみ排出量はピークを迎え、翌年には「家電リサイクル法」の完全施行により、テレビや冷蔵庫などの処分にはリサイクル料金が必要になり、03年にはパソコンの処分も料金がかかるようになった

京都市では06年に家庭ごみの有料化に踏み切ったが、それ以降、ごみの排出量は減少し続けている。

「リサイクルを後押しする社会環境が整いだしてきたこの間、『リサイクル情報案内システム』はというと、インターネットオークションの普及や広報の不足からか、逆に利用は伸び悩み、存続の検討までしていました。

しかし、広く市民の皆さんにごみの問題を啓蒙し、『Re-Use(再使用)』の機会を提供していくことも行政の役割であるとの考えから、旧システムを見直し、より使いやすいサービスとして新たに愛称「いつでもフリーマ!!」をもうけ、リニューアルを図ることにしました。」と、瀬川課長。

どう使いやすくなったのか、システムの内容を見てみよう。

瀬川課長
京都市環境局が入るヤサカ河原町ビル
新システムを紹介したパンフレット

音声認識で簡単操作

まずは、不用品を「譲ってほしい」場合。
075-241-0530に電話をかけ、「7」をダイヤルし、例えば「ソファー」のように品物名を発声する。すると、次のような検索結果を音声で聞くことができる。

「1件目、ソファー、幅100cm・奥行60cm、一人用、色はアイボリー、希望金額1,000円です。連絡先をお聞きになる場合は『はい』と、次の情報をお聞きになる場合は『いいえ』とおっしゃってください。
「はい」と答え、自分の電話番号を入力すれば、相手の電話番号や連絡希望時間が案内される。
「ファックス」と発声すれば、FAXで検索結果の一覧を取り出すこともできる。

相手先への連絡や品物の受け渡しは当事者間で行い、市は関与しない。

次に、不用品を「譲りたい」場合。
電話をかけ、「6」をダイヤルし、同じように譲りたい品物名を発声。品物のサイズや特徴、希望金額(無料~1万円)、連絡時間をシステムが順に聞いてくるので音声で答え、最後に電話番号を入力し完了となる。
必要事項を記入した紙をFAXで送信してもOKだ。

これら音声認識機能により、目あての品物を一声で指定したり、必要事項を会話感覚で簡単に登録することができる。
音声が苦手で品物コード表が手元にある場合は、4桁の番号を入力して品物名を登録/検索することもできる。

なお、不用品の検索は京都市以外からも利用できるが、相手の連絡先を聞いたり、品物の登録は、利用者登録を済ませた京都市民に限られる。

サービスの仕組み(クリックで拡大)
FAXで取り出された検索結果

新たにインターネットからも

新システムは、音声認識機能を加え、品物コードが細分類化されたことにより、使い勝手が向上したほか、個人情報保護の観点から、個人の氏名を登録する必要をなくした。しかし、何よりWebと連携した点が大きい。

インターネットからも、品物の登録や検索が専用のフォームで簡単にできる。ただし、個人情報の関係で相手の連絡先等の情報は閲覧することができず、あらためて電話やFAXで確認する必要がある。

100点あまり登録された品物を見てみると、ベッドやタンス、照明などの家具・インテリア類、冷蔵庫・洗濯機やパソコン、コンポなどの家電製品、ベビー・子供服やおもちゃ・玩具類が目につく。処分に費用が必要な大型の不用品や家電、一時期にしか必要のない子供向けの品物の処分に役立っているようだ。

譲渡希望金額では、無料の品物があるものの、数千円の安い金額をつけたものが多い。インターネットオークションのように、値段がつり上がっていくことはなく、早い物勝ちで引き取られていく形となる。

他の自治体では、掲示板や広報紙を利用したり、独自の情報誌を発行しているケースも多いが、申込に手間がかかったり、掲載までのタイムラグが発生するなど、必ずしも住民のニーズに対応したサービスにはなっていない。

当システムを知り、同じ悩みを抱える他の自治体からの見学や問い合わせがあるなど、関心も高いようだ。

ホームページからも登録や検索が可能
品物登録フォーム
品物検索結果一覧

まずはリサイクルへの関心を

運用の状況を、循環企画課の松本さんに聞いた。

「電話からの品物登録情報は自動的にシステムに取り込まれ、FAXからの場合は、職員の手により手動入力しています。 インターネットからの登録も、一旦メールで職員に届き、その都度内容をシステムに入力しています。その際、内容に不備があれば、出品者に直接電話して聞き取ることもあります。」

本来なら、インターネットからの登録情報もシステムに自動的に取り込むことができれば、職員の入力業務も省力化できるのだが、市のサービスである以上、京都市のWebサーバーを使用することが決められており、セキュリティの面でシステムとは直接つながっていないのだ。

この点、松本さんは、 「将来は独自のWebサーバーを立てて、完全自動化する方式が望ましいとは思います。要望の多い写真も掲載することができるようになります。その場合、システムはもとより運用業務そのものも市の外郭団体等に委託する形になるかもしれませんが。

また、さまざまな生活用品の修理・再生を手がける店を紹介するサイト「もっぺん」などと統合し、リユースを応援する京都ならではのポータルサイトを展開できればとも思います。」

新システムは今年の3月にサービスを開始し、約半年間で1万2千件の総アクセス数があり、成約件数も含め、旧システムの数倍に増加した。

「利用機会は増えたとはいうものの、まだまだ絶対数は少ないと思っています。システムのさらなる発展のためには、市民の皆さんに、ごみやリサイクルへの関心をもっと持ってもらい、まずはこのサービスを知ってもらうことから。」とのことだった。

松本さん
運用の様子(システムサーバーとラック上段にはVS-411MB(右)と故障通報装置)
運用画面(FAXやネット経由の情報は職員がこのフォームから手入力している)
システム概念図

京都市不用品リサイクル情報案内システム「いつでもフリーマ!!」

075-241-0530(フヨーヒン ハゴミジャナイ)
URL:http://www.city.kyoto.jp/kankyo/recycle/herasou/inform/

京都市環境局 循環型社会推進部 循環企画課

TEL:075-213-4930 FAX:075-213-0453
URL:http://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/
E-mail:junkan@city.kyoto.jp

VENDERs EYE

株式会社NTTデータ関西 

公共ビジネス事業部第五システム担当 氏家智生
TEL:050-5545-3162 / FAX:06-6455-3270
URL:http://www.nttdata-kansai.co.jp /  E-mail:info@nttdata-kansai.co.jp                 


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インターネットとシームレスに連携したシステムを提案

今回ご紹介したシステムは、VOISTAGEパッケージ「Ecotownリサイクル情報交換システム」がベースとなっている。初代はマルチメディアカードVS-402MC、今回はマルチメディアボックスVS-411MBを使用したいずれも4回線対応のシステムだ。
『Ecotown』は、京都市のほか、大分市の『リサイクルネットOita』にも採用され、地域の身近なリサイクルに貢献している。

京都市不用品リサイクル情報案内システムを長年手がけてきたNTTデータ関西。VOISTAGEの開発0営業スタッフとして8年半の経験をもつ、同社の氏家さんにシステムの「これまで」と「これから」を聞いた。

「初代のシステムには、誰でも簡単に操作できるアクセシビリティ、つまり、電話やFAXといった普及率の高い、身近な機器で情報が扱えることを優先しました。今回のシステムを開発するにあたっては、ゴミ減量やリサイクルへの幅広い市民参加の観点から、電話やFAXだけでは扱える情報量や対象が十分にカバーできず、インターネットの利用が必須と判断しました。現在はそれらのメディアをシームレスに連携するソリューションを提案中です。

今後は、循環型社会の実現や多様化する環境問題に対して当社のIT技術を使って取り組みたい。市民・事業者・行政の三者が容易に情報交換できる基盤や仕組みづくりもその一つでしょう。」と話してくれた。

 

ご注意

本レポートに記載された内容は掲載時点のものであり、システムの内容、社名 やご担 当者様の所属、連絡先などの情報について、閲覧される時点では変更されてい る可能 性があることを、あらかじめご了承ください。
なお、本レポートは情報提供のみを目的としており、弊社は明示的また は暗示的を問わず、内容にいかなる保証も与えるものではありません。