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自動電話応対サービス

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自動電話応対サービス 川口市立中央図書館

 

人気の新設図書館に導入された高品質な音声応答システム

2006年4月、埼玉県川口市のJR川口駅前に複合ターミナルビル「キュポ・ラ」が開業した。5・6階に入る施設が今回ご紹介する川口市立中央図書館だ。7月にオープンした同図書館は、最新鋭のIT設備と明るくセンスのよい館内環境が特徴だ。そのIT環境を支える基幹系情報システム「ELCIELO(エルシエロ)」に、VOISTAGEの音声応答システムが組み込まれ、電話からのさまざまな問い合わせに自動で対応している。膨大なデータベースとの連携や高品質な音声合成など、各分野の先端ノウハウが集積したシステムだ。

川口市立中央図書館USER8s VOICE

図書館のにおいがしない!? 図書館

東京駅からJR京浜東北線で約20分、荒川を渡り埼玉県に入ると初めての駅が川口駅。その駅前の便利な立地にある川口市立中央図書館を訪ねた。ちなみに、図書館が入る駅前複合ビル「キュポ・ラ」は、川口市が舞台の映画「キューポラのある街」にちなんだネーミングだ。

館内に入ってまず驚いたのが、図書館特有の懐かしい「におい」がないことだ。古い建物や蔵書のカビっぽいにおいが感じられないそのわけは、単に新築だからということだけではなさそうである。

鈴木副館長に出迎えられ、さっそく図書館の特徴を伺った。

「新しい中央図書館のコンセプトは『利便性』です。駅から約1km離れた市役所の近くにあった以前の場所から駅前100mに移動してきたことによるロケーション面での利便性です。

さらに、開館時間を平日10~21時、土日祝日9~18時に延長することで、仕事帰りの方にもゆっくりと利用してもらえることが可能となりました。

館内においては、6・7階吹き抜けの立体自動書庫を県内で初めて導入し、2~3分で指定した本を書庫から取り出せるようにしています。これにより、50万冊という大量の蔵書数にもかかわらず、本のストックスペースを有効活用することができ、利用者のための閲覧室や通路を広々と使えるようにもなりました。それら、場所や時間、空間に利便性を追求しました。」

なるほど、ホテルのロビーを思わせる吹き抜けの空間や、明るくゆったりとした低めの書架や通路の配置、DIYショップのようなインテリア・サイン・スタッフユニフォームなど、従来の「本に埋もれた」図書館らしからぬ雰囲気が漂う。特有のにおいを感じさせない理由もそれらによるものと納得した。

フロア面積は約7千㎡、座席は480席用意されている。

その特徴あふれる新設の図書館が導入したシステムとは?
本題のシステムに話を戻そう。

鈴木副館長
中央図書館が入る、JR川口駅前複合ビル「キュポ・ラ」
明るく広々とした館内

膨大なデータベースに対応する基幹系システム

「予想される来館者の大幅な増加に対応し、図書館側での業務量の増加をカバーできる情報システムの導入が当初から必須条件でした。」と、鈴木副館長。

この要望に応えたのが、全国の公共図書館で採用されている基幹系システム「ELCIELO」を開発・提供する、京セラ丸善システムインテグレーション(株)だった。

図書館における基幹系システムは、書誌・利用者のデータベースを軸に、本の発注や受入れ、貸出や返却・予約、さまざまな条件での検索、運営スケジュール管理など、多様で高度な機能が必要とされる。

「ELCIELO」は、クライアント側に特別なソフトウェア不要のWebアプリケーション方式、高速・次世代型データベースの採用、蔵書アーカイブ化の実現、図書館ホームページオリジナルツールの組み込み、地域の学校図書館との連携など、数多くの優れた特徴をもっている。 川口市の場合、蔵書数98万冊、利用登録者数も累計で15万件と、膨大なデータベースを扱う。

利便性の向上に大きく貢献する自動書庫の稼動も、このシステムがあってのことだ。

利用者との接点は、対面の図書館窓口・館内に設置された資料検索/自動貸出機端末のほかWebがあったが、図書館側としては、さらに実現したい第4のインターフェースがあった。電話・FAXである。

「真に利便性の高い公共サービスをめざすためには、身近で誰にでも簡単に扱える電話やFAXは不可欠なメディアです。CTI機能を実装する条件も新システムに求めました。」と、鈴木副館長。

そこで、京セラ丸善システムインテグレーションでは、CTIシステム開発担当に間部(まなべ)さんを据え、機能の実装に取り組んだ。

「さまざまな利用者にわかりやすい操作フローを設計すること、より自然で違和感のない音声をサービスすることを目標に設定し、IVR(自動音声応答)に不可欠な音声システムを開発する(株)エーアイに協力を依頼しました。」と、間部さんは語る。

基幹系システム「ELICIELO」の機能
立体自動書庫と出納ステーション
京セラ丸善システムインテグレーションの間部さん(基幹システムとリンクした資料検索/自動貸出機端末の前で)

自然で高品質な音声コンテンツ

エーアイは、独自の音声合成技術「AIVoice」を使用したさまざまなCTIソリューションを手がけており、今回のシステムもその技術をコアにしたものだ。

おもなサービスメニューは、

  1. 図書館の休館日・開館時間等のお知らせ(音声・FAX)
  2. 今借りている資料(図書・CD/DVD・ビデオ・カセット)のタイトルと返却期限日の照会(音声・FAX)や貸出期間の延長申込(音声)
  3. 今予約している資料の照会(音声・FAX)や受取館の変更(音声)、および予約の取り消し(音声)
となっている。

なお予約や貸出には、事前に図書館(市内の最寄の図書館で可)に出向き、利用者登録(パスワード交付)を受ける必要がある。また、電話応答サービスでは予約はできず、来館もしくはホームページでの対応となる。

音声・FAXの処理はVOISTAGEマルチメディアカードVS-407MC(4回線)が受け持つ。音声は、「AIVoice」による音声合成で生成する。
AIVoiceは、人の声より作成された音声データベース(コーパス)から、出力したい文に応じて、音韻の長さ等の条件がよく適合し、しかも滑らかにつながる音素を選び出し、それらを瞬時につなぎ合わせて合成音を生成する音声合成技術だ。

ベースに人の声を使用し、韻律や音素単位・波形接続の最適化により、従来の人工的な合成音声のイメージは感じられない仕上がりとなっている。

当サービスのガイダンスは、資料名や日付、数字など、可変的な部分にこの合成音声が使用され、それ以外の固定的な部分には、同じ女性アナウンサーによる録音音声を組み合わせることで、全体に違和感のない、聞き取りやすい音声サービスが実現されている。

AI Voiceによる音声合成の仕組み
実際のガイダンス音声が確認できます。(休館日・開館時間の案内)
CTIサーバー(上)
システム概念図

 

人気の図書館を支えるサービスや情報システム

「特に、貸出の延長や予約の取消が図書館に足を運ぶことなく自宅で手続きできると利用者には好評です。書誌・利用者のデータや開館スケジュールなども、基幹データベースと連動して更新されるので一元的に効率よく管理できています。」と、鈴木副館長の評価は高い。

将来的な展開を最後に聞いてみた。

「あくまでも個人的な思いですが、」と鈴木副館長は前置きしながら、「聴覚障害者の方や子供さんを対象とした音訳(本の読み上げ)サービスなども提供できたらと思います。そのためには、本のタイトルだけでなく本文コンテンツ等、データベースの拡充が必要となりますが。」

さらに、現在はインバウンド(受信)のみの運用だが、本の返却延滞者に向けた督促コールや、予約本の貸出準備が完了した旨の案内コール等、アウトバウンド機能を追加することもできるなど、CTIの活用方法は多彩だ。

中央図書館の人気は高く、来館者数はオープン後4ヶ月で50万人を突破、当初予定の年間100万人をはるかに上回るハイペースで推移している。新規利用登録者数もオープン月の7月の1ヶ月間だけで7,000人にのぼり、市内の全5市立図書館の昨年1年分に相当する。

この人気を支える要素は、立地や建物環境などのハードな要素、コンセプトやサービス・対応などソフトな要素、それらを円滑につなぐIT・情報システムの三者がうまく作用しあって実現されるものだとあらためて実感した。

レストランかと見間違うような図書館エントランス
ゆったりと配置された館内(雑誌コーナーと開架閲覧室)
自動貸出機端末は5台、資料検索機端末は27台が館内各所に設置されている

川口市立中央図書館

〒332-0033 埼玉県川口市川口1-1-1
TEL:048-227-7611(代表) 048-227-7616(自動電話応答サービス)
URL:http://www.kawaguchi-lib.jp

京セラ丸善システムインテグレーション株式会社

文教ソリューション事業部
TEL:03-6414-2865
URL:http://www.cd.maruzen.co.jp E-mail:bunkyo@cd.maruzen.co.jp

VENDERs EYE

R&Dセンター 開発担当孫 強

TEL:03-5840-6224/FAX:03-5840-6225
URL:http://www.ai-j.jp
E-mail:info@ai-j.jp

図書館向けソリューションを強化・充実

音声コンテンツの開発を担当した、VOISTAGEパートナーのエーアイは、音声合成・音声認識技術をキーに、図書館をはじめ防災・金融・パーソナル分野など、多様な用途のソリューション開発をソフトからハードまで手がける。

今回のシステムについて、同社開発担当の孫さんは、「帯域が狭い特性を持つ電話の音声ガイダンス開発には、それなりの経験とノウハウが必要です。特に子供からお年寄りまで幅広い対象に向けた公共サービスの場合、使用する音素の選定や接続、発声のスピードやアクセントなどにも配慮し、誰にでも聞き取り・理解しやすい明瞭で自然な音声が求められます。」と話す。

エーアイでは、図書館向けに基幹系システムと連携するCTIソリューションを強化・充実していく予定だ。前述の「音訳サービス(聴学ポータルサイト)」や各種アウトバウンドの事例も、同社ホームページで紹介されている。また、さまざまな音声合成を楽しく体験することも可能だ。ぜひアクセスしてみてほしい。

 

ご注意

本レポートに記載された内容は掲載時点のものであり、システムの内容、社名 やご担 当者様の所属、連絡先などの情報について、閲覧される時点では変更されてい る可能 性があることを、あらかじめご了承ください。
なお、本レポートは情報提供のみを目的としており、弊社は明示的また は暗示的を問わず、内容にいかなる保証も与えるものではありません。