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上映案内テレホンガイドシステム「シネマフォン」

上映案内テレホンガイドシステム「シネマフォン」

上映案内テレホンガイドシステム「シネマフォン」
TOHOシネマズ株式会社/岡島興業株式会社

今上映中の作品は? あの作品は何時から?
そんなニーズに対応するシネコン向け音声認識システム登場

シネマコンプレックス(多スクリーンを有する複合映画施設、以下「シネコン」と呼ぶ)が日本に誕生して10年が経過し、映画館を取り巻く環境も大きく変わってきた。ヒット作品の登場とともに、国内全スクリーンの6割以上にも達するシネコンの効果もあり、斜陽と言われ続けてきた映画産業も、近年興行収入・動員ともに伸びている。しかし、上映中や上映予定の作品が何で、上映スケジュールがどうなっているのか、など、小さな新聞広告ではわからないことも多く、つい劇場に電話をかけて確認することが多いのではないだろうか。同時上映作品数が多いシネコンなら、なおさらだ。そんなニーズにVOISTAGEの音声認識技術が対応し、劇場スタッフの負担軽減にも大きく貢献している。今回は2社(2館)を訪問した。

東宝シネマズのサイトへUSER8s VOICE

コストと機能に大きな驚き

まずは、TOHOシネマズ(株)が経営する「TOHOシネマズ 浜松」に、システム導入当日に伺った。同社は、全国に14のシネコンを展開し、電話案内システムを、従来の録音による案内からこのシステムに順次切り替え中で、今年度中にはすべての劇場に導入される予定だ。
本社情報システム室の小坂室長に導入の経緯から聞いた。

「以前から、海外の音声認識エンジンを中心に、システムの更新を検討していました。IVR化と同時に、全国の各劇場に寄せられる電話をIP網を経由して1ヶ所で集約し対応しようというものです。しかし、IPに関わる費用や高価な音声認識エンジンなど、コストの点ですぐに決断できずにいました。

そんな折、朝日テレフォン放送の尾崎さんからVOISTAGEを使ったシステム『シネマフォン』の提案がありました。コストを聞いて、とにかく驚きでしたね。音声認識機能を搭載していながら、1桁違っていたんですから。これなら、各店に導入しても十分対応できると判断しました。」

「検討していた海外の音声認識エンジンは、コールセンター向けのものだったので拡張性には優れていたのですが、私たちの用途にはVOISTAGEのエンジンがフィットしていたと思います。」と、同社情報システム室の天田さんも語ってくれた。

ここで、システムの概要をご紹介しよう。

小坂室長
TOHOシネマズ 浜松が入るザザシティ浜松

高精度・高品質な音声案内を実現

劇場に電話をかけた利用者は、まず観たい作品名を話す。例えば、アニメ「ポケットモンスター」の場合、通称の「ポケモン」でも認識OKだ。その他、作品のサブタイトルなども音声認識辞書にキーワード登録しておくことで、きわめて高い認識率が得られる。

次に観たい日を発声すると、その日の上映時刻が音声で案内される。上映中の全作品名を聞き、その番号をダイヤルで指定して情報を聞くこともできる。

提供される情報は、上映スケジュールのほか、交通アクセスや入場料金なども音声やFAXで取り出すこともできる。さらに、オペレータへの内線転送や、劇場内売店・カフェや系列他店への外線転送も可能だ。

案内される音声は、朝日テレフォン放送の女性アナウンサーによるもので、作品名は上映日までに音声ファイルで各劇場に配信される。日時などは、同じアナウンサーの音声によるプロンプト合成だが、音声コンテンツの制作も手がける同社ならではの自然な仕上がりだ。

各店とも、VOISTAGEマルチメディアカードVS-406MCを2枚使用し、6~8回線で運用されている。

システム概念図

 

顧客サービスの重要な柱に

従来は、各劇場の女性スタッフによる録音音声を電話で流していた。スクリーンごとの上映作品や上映時刻をすべて案内するには2~3分間必要で、利用者は、聞きたい情報が流れるまで待たねばならず、聞き逃せばまた最初からとなる。

上映のスケジュールも、お客の入りを見て変更されることが多く、録音による対応には限界があった。さらに、スタッフといえどもアナウンスには素人なので、聞きづらかったり、訛りが混じったりと、劇場ごとのレベルはまちまちだったようだ。

導入に懐疑的な社長に、従来の音声と新システムとを聞き比べてもらったところ、即決で全店への導入の決裁が下りたエピソードもあったほど、音声品質の違いは歴然だ。

また、従来は延々と聞かされる上映案内にしびれを切らせた利用者から転送されてきた電話への対応がスタッフにとって大きな負担となっていたが、システムの導入により、転送の率も激減したとのこと。

「1日のアクセスは、1,500件にものぼり、うち半数以上が音声認識を利用されています。また、全観客数のうち、3分の1の人が来場前に電話をかけてこられます。それだけに、利用者との最初の接点となるシネマフォンはイメージ的にも重要。」と、小坂室長は力説する。

同社では、予約チケット発券システムとの連携や空席状況の案内も視野に入れ、顧客サービスの重要な柱として位置づけている。

コンパクトなシステムサーバー
ルーカス・フィルム社が認定する音響基準「THX」をサポートするスクリーンも

 

布施ラインシネマのサイトへ

シネマフォン導入第1号

次に訪れた先は、シネマフォン導入第1号となった布施ラインシネマ10。東大阪市の中心商業エリアに位置し、その名の通り、北館・南館合わせて大小10のスクリーンを有する。

同シネマを経営する岡島興業(株)映画事業部の高橋主任に、従来の電話案内サービスから話を伺った。

「従来はアルバイトの女性スタッフが毎週金曜日に、10スクリーン分の次週上映作品やスケジュールを、2分間にまとめて録音していましたが、その手間が大変でした。また、FAXのサービスもありませんでした。

そこで、Webでの情報案内やメールを使った情報発信も検討していたのですが、若い層が多い都市部ならともかく、ここ東大阪では、やはり電話やFAXが主役ではないだろうか、と考え直し、以前から受けていた朝日テレフォン放送さんの提案を検討しだしたんです。音声認識機能への期待もありました。」

なおシステムには、音声認識によりピンポイントで上映作品選択ができるほか、従来の案内に慣れた年配の利用者にも違和感なく使ってもらえるよう、従来型の全作品案内(音声は新音声)も選択できるよう配慮されている。

高橋主任
布施ラインシネマ10北館

予想を超えるFAXの需要

2003年7月にサービスがスタートし2年が経過するが、心配されたトラブルもなく順調に稼動しているようだ。

「私自身侮っていたのですが、サービススタート当日からFAXで取り出した上映案内をもって窓口に来られる人も多く、FAXへの需要が多いことを実感しました。」と、高橋主任。

事実、1日に1,000件を超えるアクセスのうち、4割程度はFAXのサービスも利用しているという。こちらは、マルチメディアカードVS-402MCを使用し、4回線で運用されている。

期待の音声認識はどうか。
「認識率は満足できるレベルです。そのためには、認識辞書に登録するキーワードに、主演俳優の名前を加えたり、間違いやすいタイトルもあえて登録したりと、ひと工夫必要です。例えば、今秋公開予定の『四月の雪』の場合、『ヨン様』も登録する必要があるでしょうね。(笑)」

布施ラインシネマ10では、このたび座席指定/入替制を導入、シネマフォンに座席予約機能を追加することも検討中だ。

また、空席状況の案内も検討はされているが、「満席状況を案内してしまうと、お客様の足を遠のけてしまう可能性があり、『まずはシアターに足を運んでもらい、その場で数ある作品から観たい映画を決める』シネコンの持ち味が活かされないことにもつながりかねず、導入には慎重になっています。」(高橋主任)とのことだった。

システムサーバー
空港のカウンターのようなロビー

TOHOシネマズ 浜松

TEL:053-413-6666(シネマフォン)

TOHOシネマズ株式会社

〒100-8421 東京都千代田区有楽町1-5-2 東宝ツインタワービル3F
TEL:03-5512-1234(代表)
URL:http://www.tohotheater.jp/
E-mail:fuseline@kagoya.net

布施ラインシネマ10

TEL:06-6781-1567(シネマフォン)

岡島興業株式会社

〒577-0057 東大阪市足代新町7-4
TEL:06-6782-2628
URL:http://www.fuselinecinema.com/
E-mail:fuseline@kagoya.net

 

VENDERs EYE

営業企画尾崎 隆司

TEL:06-6262-4545 FAX:06-6262-1022
URL:http://www.asahi-tel.co.jp/
E-mail:info@asahi-tel.co.jp

「音声認識テレホンガイド」をシネマ向けにパッケージ化

シネマフォンは、当ユーザーレポートVol.2でご紹介した音声認識テレホンガイドシステムをベースに、シネマ向けに再設計したものだ。

開発元である朝日テレフォン放送(株)の調査によると、劇場にかかってくる電話のうち、約75%が上映作品・時間・場所などの定型的な問い合わせで、残りの25%が落し物の照会などであるという。

シネマフォンのロゴ

「全体の4分の3を占める問い合わせへの対応を自動化できれば格段にスタッフの負担を減らすことができます。また、従来の録音音声による案内に対し、音声ファイルの操作で録音の手間もなくなり、さらに、音声認識によるピンポイント検索ができることで、利用者のストレスも軽くなる。これら、双方にとってメリットの大きいシステムといえます。」と、担当の尾崎さんは説明してくれた。

同社では、他にはないシステムなので、「シネマフォン」のネーミングとともに、オリジナルにロゴも制作し販売を強化している。

布施ラインシネマ10が導入第1号になったことについて、「最初に岡島興業さんに提案したのは、小さい頃から慣れ親しんだ地元の劇場だったからです。自分たちがもつ技術と発想で、業務やサービス向上のお手伝いができればとの思い入れがありました。」と、尾崎さんは振り返る。

これが実績となって、販売に弾みがつく。現在では、東宝系をはじめ、東映系・松竹系・東急系等、大手のシネコンチェーンを中心に400回線以上の導入実績があり、今後は地方の劇場にも広く提案していく計画だ。

 

ご注意

本レポートに記載された内容は掲載時点のものであり、システムの内容、社名 やご担 当者様の所属、連絡先などの情報について、閲覧される時点では変更されてい る可能 性があることを、あらかじめご了承ください。
なお、本レポートは情報提供のみを目的としており、弊社は明示的また は暗示的を問わず、内容にいかなる保証も与えるものではありません。