ペーパーレスFAX-OCR送受信システム

ペーパーレスFAX-OCR送受信システム

ペーパーレスFAX-OCR送受信システム
とみんコンピューターシステム株式会社

自社で効果を実証し、全国の地銀への横展開を図る
業務効率向上への切り札

業界再編が加速し、生き残りをかけた厳しい競争環境におかれている金融機関においては、業務効率の向上は必須かつ緊急な課題といえる。戦後の不況期、1951年に都内の中小企業の金融難を救うべく誕生した東京都民銀行。同行のコンピュータシステムや業務処理をサポートする、とみんコンピューターシステム株式会社(TCS)が今回のユーザーだ。関連会社とはいえ、独自のシステムやサービスでグループの枠を超えた展開を積極的に進める。「ペーパーレスFAX-OCR送受信システム」もそのシステムのひとつだ。

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電卓片手に紙と格闘

中小企業や小規模事業者の顧客が、PC等により各種振込依頼を銀行にデータ送信した場合、銀行側ではその確認手段として、別ルートであるFAXを使って「送信確認書」をあらためて支店に送信してもらう。

支店では、顧客からの確認書をチェックした上でセンターにFAX転送し、センターでは勘定系マスタデータと照合することで確認完了となる。

これら確認書の読み取りとそのデータベース化やファイリング、各支店への情報配信業務を自動化するシステムが今回のテーマだ。

導入・運用責任者の金融システム部・五十嵐正男課長は話す。「センターに入ってくるFAXは1日に数百枚にのぼります。

それらを手作業で仕分けし、1枚1枚確認していくわけですが、まさに日々が『紙との格闘状態』にありました。紙ベースのデータを扱うだけに、日計・月計等の集計も電卓を使用するなど、IT化には程遠い環境でした。

そこで、サービスや処理のスキームはそのままに、業務の効率と精度を向上させる目的で、この6月から全店対象にシステムの運用を開始しました。」

その効果のほどはあとで詳しくご紹介するが、スマートで先進的なEB(エレクトロニック・バンキング)の裏に、その信頼性を支えるための人手を介した地道な業務が存在することは意外だ。

五十嵐課長
FAX-OCRエントリー風景

画面上ですべてを完結

まずは、数字から説明すると、1日にセンターに入ってくるFAXは7~800枚。顧客数は約1,400軒。システムは、VOISTAGE(VS-403MC)が受け持つFAXサーバーおよびOCRサーバー/クライアント(3台)という構成だ。

回線はINSネット64・2チャンネルで、16:00までは受信3/送信1回線、以降は支店への発信のため2/2回線と自動的に切り替わり、需給に応じた弾力的な運用で回線の有効利用を図っている。

確認書でのOCRによる読み取り項目は、顧客名・届出印・振込種別(総合振込、給与・賞与振込、地方税一括納付など)とそれらの振込指定日や件数、金額など。顧客名・届出印を除き、すべて手書き数字の読み取りだ。

挿入方向や傾き補正、ノイズ除去などの機能を持つものの、顧客・支店と、2台のFAX機を経由するリレーなので認識にはハンディとなる。加え、数字のところに誤ってチェックマークを記入するなど、サービス開始当時は顧客の不慣れ操作もあったが、徐々に認識率は高まっており、最終的には90%以上の認識率を確保できるとしている。

なお、確認書はイメージ情報としても蓄積・保存され、後刻の照会も容易だ。認識結果は、オペレータが画面でチェックした上で、勘定系のデータと照合し、エントリーされる。

記入漏れや間違いのある確認書も、すべて画面操作により不備理由を添えて支店に返信することができる。なお、16:30頃には、FAX受信した1日の一覧・明細データを支店あてに一斉に自動発信される。

FAX-OCRサーバー
FAX-OCRエントリー風景
システム概念図

 

 

人・モノ・金・情報を効率化する効果

システムの目的や導入による効果について五十嵐課長は説明する。
「まず、前提となるのが堅確化です。お客様の大切な資金を取り扱う銀行業務においては、万が一にも支障があってはならない。その点に最大の配慮をもって取り組みました。

次に、省力化です。従来5人で担当していた業務が3人相当で対応が可能になりました。出力されるFAX紙に振り回されることがないので、業務にも計画性が図れ、1日のタイムテーブルができあがります。

そして、経費削減。FAX機をはじめ、月に数千枚の紙やトナーが不要になり、年間数十万円の経費が削減できる計算です。さらに、確認書は3ヶ月間保管することになっており、システム導入により、書庫一台分のスペースが空きました。人・モノ・金・情報と、さまざまな面を効率化する効果が表れました。」と評価する。

以前はFAX紙で溢れていた保管書庫も今はご覧の通り

究極的には、支店を経由することなく、直接センターで受ける形が理想形だ。そうなれば、すべてのシーンでペーパーレス化が果たされ、処理スピードと読み取り精度のさらなる向上も期待できる。しかし、顧客名と印影の照合という大切な役割を支店が担っているだけに、基幹的なスキームを変更するには一朝一夕には事は運べないようだ。同社では、現時点では最善の方法だと判断している。

全国の地銀へ、そして他の業種にも

「同じ環境で、同じニーズをもつ全国の他の地方銀行にも導入を働きかけていきたい。」と、ペーパーレスFAX-OCR送受信システムの横展開を図るTCSの橋本健二社長。

さらに、「金融機関だけでなく、商社、通信販売、不動産仲介、旅行代理店、卸売など幅広い業種や業務にも大きな効果を発揮するはず。」と続ける。ここまで聞くと、一般のSI会社のように思うが、同社はその名の通り、とみん銀行グループの一員だ。

同社では、このシステムのほか、輸出入業務の事務効率化を実現する、貿易業務支援システム「HarborWrite」をパッケージ販売する。
従来の事業領域の枠を超え、新たなビジネスを積極的に展開するTCSの活動は、昨年就任した橋本社長のリーダーシップに負うところが大きい。

橋本社長

「従来のように受託業務を主体とする言わば『一毛作企業』から、さまざまな企業と柔軟にアライアンスを組んで展開する『多毛作企業』への脱皮をめざしています。現在は銀行関連のシステムが6~7割を占めますが、近い将来には一般業種の顧客を5割程度まで増やしたい。」と意欲をのぞかせる。

とみんコンピューターシステム株式会社

〒106-0032 東京都港区六本木2-4-1 とみん六本木ビル   TEL:03-3585-0923
URL:http://www.tcsweb.co.jp (東京都民銀行URL:http://www.tominbank.co.jp
E-mail:igarashi@tcsweb.co.jp

 

VENDERs EYE

代表取締役 武田 俊輔

TEL:03-3570-5377/FAX:03-5531-0165
URL:http://www.cti-info.co.jp   >E-mail:service@cti-info.co.jp

金融系システムとしての信頼性を追求

今回のシステムは、TCSのプロデュースのもと、CTI・FAX処理に関わるコア部分の開発を(株)CTI情報センターがサポートした。Vol.17のWeb-FAXシステムにつぎ、ユーザーレポート2度目の登場だ。

武田社長に話を伺った。「今年の1月初旬に仕様が決定、2ヶ月間でシステムを開発し、4月1日には納品。同月15日からは新宿業務センター管轄の5店舗で試行を1ヶ月半重ね、6月から全店一斉運用というスケジュールでした。

開発期間にあまり余裕がなかったこと、金融系業務ということで、何よりもシステムの信頼性や安定性が求められたこと、また、支店ごとに異なる多機種のFAX機とシステムとのマッチング等にも苦労しました。五十嵐課長はじめ、金融業務に精通したTCS SEスタッフの協力のおかげで、何とか納期に間に合わせることができました。」と振り返る。

同社では、社内LAN上のすべての端末からブラウザ操作でFAXの送受信が行える「ペーパーレスFAXシステム」をパッケージ販売しており、今回のシステムにはそのノウハウが生かされている。

TCSの橋本社長が万全の信頼を寄せる、武田社長率いるCTI情報センター。2社(者)のコラボレーションによる、新たな発想の金融系業務アプリケーションが誕生する日が近いかもしれない。

 

ご注意

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