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ワンタッチ呼出システム/同報呼出システム |
日常の連絡から緊急時の呼出まで |
ライフライン企業にとって、災害時の対応は市民生活を守る上で重要な意味を持つ。850万件の先に都市ガスを供給する東京ガスが今回のユーザーだ。外部の関係機関や社内各部署・拠点に即座にアクセスできる「ワンタッチ呼出システム」、必要な社員全員を一斉に呼び出す「同報呼出システム」の2つのシステムが4月から稼動した。一般に防災対策では、初動体制の適否が被害の範囲を決定づけると言われている。その迅速な初動体制を支える連絡システムにVOISTAGEが採用された。 |
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●ピンポイントとグループの呼出に2つのシステム
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「同報呼出システム」は、災害や事故発生の際に、一斉に社員を招集する場合に使用する。1次(注意報発令時)、2次(警報)、3次(事故発生)体制といった災害の段階や種類、規模、エリアなどによって、招集する対象が細かくグループ設定されている。
簡単に言えば、2つのシステムは、呼び出す対象が、ピンポイントかグループかの違いだ。両システムは、同一のサーバー・共通のインターフェースで操作でき、画面の切替えもボタン一つだ。 このシステムが、エリアごとに設置された7ヶ所の緊急指令センターに導入され、4月から運用を開始した。それでは詳しくシステムを見ていこう。 「同報呼出~」は、大雨により、ある地区一体の導管が冠水した際などに、被害の程度や範囲により、職務や役職上必要な社員を招集する場合に使われる。1システム(エリア)あたり8回線での運用なので、同時に8人に発信でき、グループ人数によるが、通常数分で呼出が完了することになる。 対応する端末は、社員自宅の電話やFAX、携帯電話・PHS、ポケットベルで、1人あたり3番号まで登録可能だ。「○○地域に大雨洪水警報発令、○次体制で出動してください。」等のメッセージが、音声またはテキストで端末に送られる。なお、携帯やPHSのショートメールにも対応可能だ。 音声メッセージは、録音(事前・随時)のほか、入力文章を音声合成で読み上げることもでき、100パターンまで登録が可能だ。録音にはマイクは不要で、電話機から直接行える。呼出先の登録変更は、社員マスタのデータとも連携しているので、人事異動の内容も簡単に反映させることができる。 |
![]() ■千葉・幕張の東京ガスビル
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●2000年対策時にVOISTAGEの性能を確認 |
VOISTAGEとの出会いについて市川副課長は振り返る。「実際に性能を確認できたのは、2000年問題対応の時でした。今回のシステムのベースとなったVOISTAGEパッケージ『一斉急報システム』のデモ版を借り受け、その安否確認機能を利用させてもらいました。設備面やソフト面など、それぞれの担当者が、自宅からの電話で担当する分野をダイヤルで指定することで、その時点での2000年障害の有無状況を音声合成メッセージで確認できる、情報提供のシステムです。これは使えるな、と思いました。」
東海地震は言うまでもなく、最近では富士山噴火もささやかれるなど、首都圏での大災害が心配される。同社の場合、地震の際は、警戒宣言が出された時点で、上位システムにより全社的に自動一斉呼出する体制になっており、当システムはより地域的な災害や事故を受け持つ。4月の運用開始以降、幸いなことに本格的にシステムが稼動したケースはないとのことだ。 |
![]() ■防災訓練の模様 |
VOISTAGE活躍の模様を紹介することが本レポートの趣旨だが、今回に限っては、VOISTAGEが"大活躍"することのないよう願いたい。登録変更は、社員マスタのデータとも連携しているので、人事異動の内容も簡単に反映させることができる。 |
●東京ガス株式会社(情報通信部) TEL:043-296-5716 〒261-0023 千葉市美浜区中瀬2-3 URL:http://www.tokyo-gas.co.jp |
![]() 日電通信工業株式会社 |
![]() ■右から鴨川課長、式部さん(営業担当)、 安斎さん(開発担当) |
●「一斉急報システム」としてパッケージ化 |
今回のシステムを手がけ、ベースとなるパッケージ「一斉急報システム」を販売する開発会社が、VOISTAGEパートナーの一社、日電通信工業だ。東京ガスの各種無線・有線通信システムをはじめ衛星通信システムまで、ネットワーク・インフラ設備の設計や工事、保守に長年携わり、同社の業務やニーズの隅々まで熟知していると言える。
営業責任者の鴨川課長にVOISTAGE採用の理由について聞いた。「ダイヤル認識や音声合成など必要機能が標準で搭載され、ソフトウェア上で実現するマルチメディアカードにより、機器構成や操作環境がシンプルにできたことが大きい。今回のシステムについては、VOISTAGEでしか成し得なかったでしょう。」と高い評価だ。さらに一斉急報システムについては、「3年前のリリース以来、より使いやすいようにバージョンアップを重ね、これまでに、電力・エネルギー・通信・土木分野のライフライン企業を中心に20システム以上の販売実績があります。さらに、全国の自治体や民間サービス会社も視野に、積極的に販売していきたい。」と語る。 災害時だけのものとイメージされやすい一斉同報だが、通常時の連絡から緊急時の呼出、さらには各種マーケティングコールまで、活用シーンは広く、ムダなく運用できるこのシステム。多機能・低コストを実現した同システムの今後に期待したい。 |
一斉急報システム関連情報 ●VOISTAGEホームページ |
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ご注意 |
本レポートに記載された内容は掲載時点のものであり、システムの内容、社名やご担 当者様の所属、連絡先などの情報について、閲覧される時点では変更されている可能 性があることを、あらかじめご了承ください。 なお、本レポートは情報提供のみを目的としており、弊社は明示的また は暗示的を問わず、内容にいかなる保証も与えるものではありません。 |