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電話投票システム

電話投票システム「テレジョッキー 園田・姫路」
兵庫県競馬組合

地方競馬初の音声応答による電話投票システム
人気の「馬単(馬番号連勝単式)」にも対応


JRA(日本中央競馬会)の功績で若者や女性を中心に競馬ファンが増えている。しかし、全国20数ヶ所の自治体が主催する地方競馬の状況は、不況の影響で閉鎖される競馬場もあるなど、あまり芳しくない。JRAとの競合を避け、平日に開催される地方競馬。その平日に競馬場や場外馬券(勝馬投票券)売場に足を運べる人も限られる。そこで誕生したサービスが電話投票システムだ。自宅に居ながら、あるいは出先や職場(?)から、馬券の購入やレース関連情報が得られるこのシステム。この2月に大きく進化を遂げた「テレジョッキー 園田・姫路」を紹介する。
 


  

(マーク制作:横尾忠則氏)
●大震災を乗り越えて<
兵庫県競馬組合は、県下の園田(尼崎市)と姫路の2競馬場を運営・開催する。99年にサラブレッド系が導入されるまでは、全レースがアラブ系競走馬で行われ、「アラブのメッカ」として全国に知られてきた。電話投票についてもそれまでの方式は、オペレータが直接応対する「CRT方式」が常識だったが、テレジョッキーは、当初から自動音声応答システムによる「ARS方式」としてスタートした。まさに、地方競馬の先頭を走る、個性あふれた競馬場と言える。

導入から運営まで当システムを担当し続けてきた、渕上光・投票課長は話す。
「多くの申込の中から抽選で選ばれた約3500名の加入者を得て運用開始したのは、忘れもしない95年1月10日です。その1週間後に阪神・淡路大震災が起こりました。競馬どころの話じゃない。まさに出鼻をくじかれた格好です。両競馬場にも大きな被害が出ましたが、復旧が完了した4月、再スタートに漕ぎ着けました。」と振り返る。

その後、98年には「馬番連勝複式(馬複)」を、2000年には西日本初の「馬番連勝単式(馬単)」馬券が発売され、テレジョッキーもその都度対応してきた。この間、ファンのニーズに応え、加入者枠・回線数も順次拡張し、現在では2万名・256回線となった。

■渕上課長

●投票・振替・情報提供の3つのサービスを提供
サービスメニューは大きく3つある。

1つめは馬券が購入できる「投票サービス」だ。投票センターに電話をかけ、加入者番号と暗証番号をプッシュした後、レース番号・式別(単勝や馬複などの方式)・馬(枠)番・枚数を順に入力する。続けて同じレース・式別を投票する場合は、それらの入力が省略できる「短縮投票」も可能。さらに、連続的・横断的な組み合わせ購入の「ボックス投票」や「ながし投票」にも対応する。
 
2つめは「振替・照会サービス」だ。加入時には、テレジョッキー指定の銀行に口座を設ける必要がある。投票の前には、普段の自分の銀行口座から投票金額以上の額を指定銀行に口座振替する仕組みだ。払戻金の受け取りも、それらの口座経由となる。
その操作や残高の確認が電話で行える。また、投票した内容や結果の照会なども可能。

3つめは、加入者以外でも利用できる「各種情報サービス」だ。情報センターに電話をすると、開催日程・状況やレース結果、オッズなどの情報が、音声・FAXで取り出せる。

なお、操作等でわからないときは、平日の時間内であれば女性の担当スタッフが直接電話で応対する。

■電話応対も可能

●「馬単」対応を機に、一層便利に
2001年2月、人気の「馬単」の投票に対応すると同時に、テレジョッキーは、大きく進化した。

まず投票方式は、それまでの独自方式から、全国標準的な「JRA方式」になり、操作所要時間が短縮された。「ボックス投票」「ながし投票」に対応したのも今回からだ。会員枠は5千名増え2万名に、回線数は64回線増え256回線に、指定銀行も1行から5行に拡がった。発売締切時刻は、従来の発走7分前から5分前に2分間延長されるなど、規模・利便性ともに大きく向上した。増加した加入者枠分の募集はこれから行われる予定だ。

テレジョッキーの利用は毎回、加入者総数の10~15%にあたる1200~1300名。1日あたり3000~5000の投票コールがある。多いようだが、金額面で見ると売得(売上)全体の4%前後だ。全国規模のJRA(31%)や競輪(14%)、競艇(12%)に比べ、まだまだ少なく、伸びる余地は十分にあると思われる。

■システムサーバー
ただ、加入者枠や回線数等、設備費用との関係上、すぐにあげられるものでもない。投票コールが集中する出走直前でも、安定した回線状態を保つ必要があり、通信障害はもとより、話中でかかりにくくなることも許されないからだ。

その点について、渕上課長によると、「導入以来、VOISTAGEは大きなトラブルもなく拡張に対応してきました。さすがは、金融分野に豊富な実績をもつシステムですね。」との評価だ。

●地方競馬ならではのサービスをめざして

■上空から見た園田競馬場
現在、馬券の販売は、園田・姫路両競馬場以外には、神戸場外発売所(JRAウィンズ神戸内)があるだけだ。第3の窓口としてのテレジョッキーへの期待も大きい。

「スタート時には、『一部の人に向けての単なるファンサービス』と、割り切る声もありました。しかし、募集枠の倍もの応募が殺到し、売得金額は導入前と比べ1割以上伸びるなど、今では収益の確かな柱となっています。今後は、他の地方競馬への投票をテレジョッキーでも扱えるような広域ネットワークサービスにしたい。」と渕上課長。

地方競馬の良さは、ゆっくり気軽に観戦でき、何と言っても、馬との距離が近いことではないだろうか。パドックでの馬の様子やレース中の姿もモニターではなく、肉眼で間近に見ることができる。

これからもファンのニーズに応える、身近な競馬場であってほしいものである。


■サービス概念図


 
兵庫県競馬組合(園田競馬場)
〒661-0951 兵庫県尼崎市田能2-1-1
TEL:06-6491-0601


富士通株式会社
神戸支社 第一営業部
文教・医療・公共団体グループ
尾崎 雄一郎
URL:http://www.fujitsu.com


●全国の基幹システムを手がける
富士通は、全国の競馬場や競輪場などの投票券発売・集計・払戻に関わる統合的な基幹システム「トータリゼータシステム」を数多く手がける。電話投票は同システムにおける投票系の一部分と言える。兵庫県競馬組合の場合も、同社がシステム・インテグレーションを担当し、テレジョッキーの音声応答システムにVOISTAGEを使用して納入した。

導入時からの営業窓口である、尾崎さんに話を伺った。「この分野は、VOISTAGEにとって初めてだったので、正直言って不安もありましたが、よく対応してもらえ満足しています。渕上課長の進取の熱意にも応えることで、ここまで来れたと思います。

テレジョッキーの開発には、足掛け10ヶ月ほどかかりました。地方競馬は、平日に開催されるため、システムのメンテナンスは土・日に限られます。特にSEのスタッフには苦労をかけました。」と話す。

電話だけでなく、インターネットや専用端末を使用した在宅投票、iモードによる投票と、投票シーンにも多様化・キャッシュレス化の波が訪れようとしており、同社もニーズを見極めながら、これからも積極的に開発・提案していく予定だ。
 

 

ご注意

本レポートに記載された内容は掲載時点のものであり、システムの内容、社名やご担 当者様の所属、連絡先などの情報について、閲覧される時点では変更されている可能 性があることを、あらかじめご了承ください。
なお、本レポートは情報提供のみを目的としており、弊社は明示的また は暗示的を問わず、内容にいかなる保証も与えるものではありません。