
音声認識診療予約システム
上杉耳鼻咽喉科・サンクリニック
医院の思いと患者の願いをつなぎ、待ち時間解消を図る、
新しい患者サービス
出先でいつもの銀行ATMが見つからなくてウロウロ。この駅周辺に馴染みの居酒屋は、とキョロキョロ。見知らぬ土地で近くの病院探してアタフタ・・・。だれでも一度はこんな経験をしたことがあるはず。今回ご紹介するのは、そんな迷えるあなたを目的の場所にスムーズにエスコートする画期的なナビゲーションシステムだ。といっても、専用の端末やGPSアンテナなどは必要なく、身近なケータイが主役。現在地入力などのインターフェースは、VOISTAGEの音声認識が受け持つ。電話・ケータイ・FAX・Webの垣根を越えた新発想のナビ・ソリューションが登場した。
USER8s VOICE
医院の外まであふれる患者
まずは、西武池袋線・保谷駅にほど近い上杉耳鼻咽喉科を訪ねた。同医院は、システム導入を機に、来院順診療から完全予約制に移行した。上杉恵介院長に、導入の経緯と効果について聞いた。
「昨年7月の『国際モダンホスピタルショウ2001』でこのシステムを知り、3月から予約サービスをスタートしました。導入により、医院の外にまで患者さんがあふれることもなくなりました。
長時間待っていただくことは、待合室での患者さん間の感染の可能性も増します。予約制、しかも24時間自動受付は、診療効率が向上し、カルテの準備も前もって行えるなど、余裕を持った診察が可能になりました。
モニターが診察椅子から見えるところにあり、きれいな画面なので診療中の話題になったり、患者さんが近づいて眺めたりと、診療が中断することもあるほどです。」と笑って答える。医院イメージの向上にも貢献しているようである。
一方、改善の要望もあった。「常時画面を見ていることはできないので、直近の急な予約を見落とすことがあります。予約が入った段階で、画面が変化すれば分かりやすい。その予約項目(時間・患者名)に一定時間色が付いたり、音が鳴るなりの工夫が欲しい。」との提案だ。
初めての予約システムで自動音声応答ということもあり、心配された利用操作での戸惑いの声はほとんど聞かれない。ただ、耳鼻咽喉科という科目は、患者の年齢層が広い。花粉症のシーズンも終わり、混雑もやや緩和するこれからの季節、操作に不慣れなお年寄りに向け、操作方法を受付窓口でしっかり説明していくつもりだという。
- 上杉院長
- 話題のきれいな画面(予約照会画面)
親身で迅速なサポートも評価
次に訪れた医院は、横浜駅から相鉄で30分ほどの閑静な住宅街にあるサンクリニックだ。まるでレストランのようなモダンな建物の2階は内科、1階に今回システムを導入した小児科がある。同医院では、5年前から稼動する他社製自動予約システムを更新し、今年4月から当システムを導入した。相澤扶美子副院長に話を伺った。
「患者さんにとって、より直感的な操作ができる音声認識の機能が加わったことが大きな違いですが、サポートの差も大きい。前のシステムは、トラブル時に連絡がなかなかとれず、1日予約がストップしたこともありました。ロジカルさんの場合は、すぐに駆けつけてくれるし、同じ画面を見ての遠隔サポートも受けられるなど心強いですね。」と、機能・サービス両面で評価は高い。サポートの大切さをあらためて認識させられる言葉でもある。
予約は、一般診療・特殊外来・予防接種・乳幼児検診の4科目を受け付ける。予防接種の場合にはさらに、風疹・麻疹・三種混合・日本脳炎等、接種の種類指定が加わる。予約時にはそれぞれの種別を電話口で話すか、プッシュボタンで選択する。このように選択肢が多い場合は、一声で指定できる音声認識が便利だ。
ここでも要望が寄せられた。「特に小児科の場合、患者の中には受診して帰宅後、容態が急変することもよくあります。その際にもすぐに再診療が予約できるようになればさらに便利になるのでは。」とのことであった。ロジカルでは、先の画面変化も含め、次期バージョンでこれらの要望に応えたいとしている。
- 相澤副院長(手前)とスタッフの皆さん
医院のサービスとイメージ向上を果たす多彩な機能
ここで操作の基本的な流れを紹介しよう。
利用者は、予約専用のダイヤルに電話をかけ、音声ガイダンスにしたがい、まずは5ケタの診察券番号(初診の場合は自宅の電話番号)をプッシュ入力する。なお、ナンバー・ディスプレイ対応により、診察券番号入力を省略することも可能。
個人認証されると、「スズキ・ハナコさまですね。」と、システムが氏名を復唱する。読み上げには女性アナウンサーの肉声を収録したVOISTAGE音声人名ファイルを使っているので極めて自然な音声だ。
続いて予約人数・予約日・予約時間を順に音声またはプッシュで指定すると、希望の時間に近い枠が検索され、「目安時間は○時○分です。」とシステムが聞き返す。よければ「よやく」と発声すると、予約内容が復唱され、予約完了となる。
予約時間が近づくと、順番が順調に進んでいるか気になるもの。その際にも電話で「すすみぐあい」と発声すると「現在○時○分の方まで終わっています。」と教えてくれる。
時間あたりの人数枠は、医院により異なり、上杉耳鼻咽喉科の場合は15分間で4人、サンクリニックは5人で、うち2人分は急患や未予約来院者等のために予備で空けている。患者数はシーズンによって変動するので、設定の変更も画面上で簡単に行えようになっている。
診療科目は8科目・8医師までの登録が可能。リライトカード診察券や診療予約券発行機との連動も行える。
国や自治体、医師会が提唱する「かかりつけ医」の制度にも、地域の開業医が果たす役割も重い。当システムは、身近な存在である医院の敷居をさらに低くするソリューションとして、これからますます期待されることだろう。
- 予約状況が一目で(サンクリニック)
- ロジカルが提供する「診療予約システム体験ダイヤル」
上杉耳鼻咽喉科医院
〒178-0064 東京都練馬区南大泉4-48-7 TEL:03-3924-8187
URL:http://www.ikiikinet.com/cgi/hospital.cgi?id=113
サンクリニック
〒241-0835 横浜市旭区柏町97-8 TEL:045-366-6821
ロジカル株式会社マーケティング室 事業推進グループ マネージャー 藤田 裕一
TEL:053-484-4018/FAX:053-484-4019
URL:http://www.logical.co.jp/ E-mail:sup@logical.co.jp

本格的な普及はまだまだこれから
「全国で92,000軒ある医院(開業医・クリニック)のうち、13%にあたる12,000軒で予約制が導入されていますが、自動予約システム導入はその1割に満たない1,200軒弱と推定されます。」と、数字を挙げて説明してくれたロジカル(株)マーケティング室の藤田マネージャー。その説明からは、当システムの有望な市場性と同社の意気込みが見てとれる。藤田マネージャーは、社長直轄で戦略的なマーケティングを統括し、販売と開発部署間の情報フィードバック役を担当する。
当システムは、医療用医薬品卸の(株)クラヤ三星堂を通して販売されている。耳鼻科・小児科のほか、眼科・産婦人科・皮膚科にも広く導入されており、全国さまざまな医院で活躍しているのも同社の強力なチャネルによるものだ。
操作画面は、見た目の美しさだけでなく、機能的にもよく考慮されている。主要な操作はマウスを使わなくとも行えるよう、キーボードの機能キー(F1~F12)に各種機能が割り当てられている。患者登録や予約の登録・検索・削除・変更、レセコンとのデータ連携などの操作もボタンひとつだ。
「しかし何と言っても、他社のシステムにはない高性能な音声認識機能を搭載していることは大きなアドバンテージです。幅広い利用者層に気軽に利用してもらえることで、より多種の診療科目に適合し、より多くの患者さんにサービスを提供することができます。今後は、中小規模の民間病院にも積極的に働きかけていきたい。販売は緒についたばかり。本格的な普及はこれからです。」と可能性を熱く語ってくれた。
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