| ユーザレポート > Vol.38 2004.2.20 | ||||
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| ●JAが責任もってトレーサビリティを確保 今回のユーザーは、JA(農業協同組合)兵庫中央会。兵庫県下15のJAを統括し指導にあたる。FAX-OCRシステムの導入を決めた情報システム部の牛尾部長に話を伺った。 「食の安全・安心をサポートするトレーサビリティについては、本来は政府や消費者の皆さんから指摘されるものであってはならない。 生産者(農家)単独ではできないが、それらを代表する私たちのような団体が率先して取り組むべき問題だと思っています。 そこで、多くのJA組合員がもつ身近な情報端末であるFAXを使って、農産物の生産過程の各種情報を収集・管理し、JAが責任をもって市場に送り出そうという仕組みが『営農情報FAX-OCRシステム』です。 まずは昨年10月に、大都市近郊で生産品種も多く規模も大きい、管内のJA兵庫六甲からスタートさせました。」 北は日本海、南は瀬戸内海に面した兵庫県は、面積が広く気候も多様で、地域も大都市部から郡部と非常に多彩だ。 都市近郊のJA兵庫六甲では、有に160品種もの農作物が生産されており、それらすべてを生産・流通・販売の各段階でトレーサビリティを管理することは、現実的にはとても無理だ。 JAの役割とFAXの活用で、その問題に当たろうというわけだ。 |
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| ●業務効率と生産意欲の向上もめざして |
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■OCRシート(生産日誌) ![]() ■FAX-OCRシステムサーバー ![]() ■JA兵庫中央会 情報システム部 |
システムの概要をご紹介しよう。農作物の生産には、生産計画〜播種(植付)〜施肥(肥料)〜防除(農薬)〜収穫と、さまざまな工程を経て出荷される。 |
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●認識率に高い評価 |
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| さらにこのシステム、情報共有・情報流通の視点から、クライアント/サーバー形態ではなく、Web上で運用されているという点も大きな特徴だ。データはWebブラウザ画面で閲覧する。 地域のJA営農指導員がリアルタイムに営農情報を取り出すことができるのも、この環境によるところが大きい。 なお、営農情報のエントリーは、FAXのほか、従来のような生産日誌のJAへの持ち込み(職員が入力)、Webの日誌入力フォーム、ダウンロードしたCSV形式のフォームに入力/アップロードする方法の4方式を用意している。 データ化された営農情報は基幹系システムと連携し、JA内イントラネットで情報共有されるとともに、県下の各JAとは、県が推進する情報インフラ「兵庫情報ハイウェイ」を介したネットワークが組まれている。 消費者がJAにある端末から情報を閲覧することもできる。さらに今後、Webサイト上で情報公開することも可能だ。 OCRシートは通常、事前に印刷しておくのが普通だが、今回の場合は、各JAのプリンターで印刷して組合員に配布している。 「システム更新にも容易に対応するためと、生産者番号など規定のコードを可能な範囲であらかじめ印刷し、記入時に手間がかからず、まちがいなく認識できるようにとの配慮です。 誤認識はほとんどなく、認識率を含めたシステムの基本性能の高さには満足しています。」と、牛尾部長の評価も高い。 県下の他のJAへの展開は、各地域の特性やニーズを見極めながら、3年計画で順次導入を検討していきたいとのことだ。 |
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![]() ■システム概念図 |
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| ●トレーサビリティの必要性と難しさ |
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最近ではトレーサビリティ確保のために、超小型ICタグや二次元バーコードなどの先端技術の応用が話題に上っている。しかし、これらにはコストという高いハードルが実用化への道を阻んでいる。 例えば、ICタグの場合、食品の生産履歴や図書館の貸出書籍管理などの実証実験が行われているが、チップ1個あたり数十円のコストとともに、データの入出力に専用端末も必要だ。1束50円のネギに同額のチップを付けるわけにはいかない。 |
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| 「さらに農作物は、出荷時には段ボール箱入りでも、店頭に並ぶときには小分けされ袋やかごに入っていたり、半分に切って売られたりと形態も刻々変化します。 また、鮮度保持が求められる生産・流通・販売の各段階で、もれなくデータを入力できるかという運用面でも課題は多い。しかし、安全と安心の確保は、食品にかかわる者にとって永遠の命題です。 FAX-OCRシステムによる生産履歴データは、今後求められるより厳格なトレーサビリティ管理にも対応できるはず。」と、牛尾部長。 事実、当システムの反響も大きい。「トレーサビリティ先進事例」として、先日も福岡県のJAから、来月には韓国と、国内外からシステムの視察が相次いでいるとのことだ。 |
![]() ■食品の安全・安心確保の難しさ |
食の「安全」は厳格な検査体制や品質管理で担保され、「安心」はその上に成り立つ生産者・消費者間の信頼関係であるともいえる。生産者個人ではできないことをJAが代わって管理し保証する、FAX-OCRはトレーサビリティ確保に向けた有効かつ現実的なソリューションだ。 |
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JA兵庫中央会(兵庫県農業協同組合中央会)情報システム部 |
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