| ユーザレポート > Vol.34 2003.4.30 | |
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転出届受理システム/自動督促システム |
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全国初、自治体による公共料金督促システム 期待と注目を集め、いよいよ運用スタート |
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いっこうに減らない税金や公共料金の滞納に、国や自治体は専従の徴収班を組んであたるなど、多くの労力を費やしている。滞納の督促や徴収に、また税金が使われている図式だ。ここ、神奈川県の秦野市(はだのし)でも事情は同じ。しかし、同市の水道局では、この難問にCTIを駆使し立ち向かおうとしている。水道料金の滞納者に対し、自動的に督促の発信を行うシステムだ。さらにシステムは、転出の届出にも音声応答で24時間対応し、コールセンター機能も装備するなど、多機能でむだがない。自治体ではおそらく全国でも例がないこれらのシステム、各方面からの期待と注目を集め、いよいよ5月から運用が始まる。 |
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| ●各方面への説明・説得に1年間 神奈川県中西部に位置する秦野市の水道局は、67,000世帯の家庭と事業所に水道を供給する。年間の転出は約7,000件、料金滞納も約6,000件と、全世帯数の約1割近くにおよぶ。 営業課の古谷 清課長にシステム導入の経緯を聴いた。「転出は1月から4月に集中します。とりわけ、ピークを迎える3月には1,700本もの転出に伴う水栓閉め依頼の電話が殺到します。『電話がかかりにくい』『いつまで待たせるのか』といったお叱りの声もいただいていました。 一方、年間の水道料金23億円のうち、約4,500万円が未収になっています。2月と7月に各3,500件の滞納世帯に催告はがきで通知し、2名の徴収専従の職員を充てていますが、とても対応しきれません。 人的な対応に限界がある以上、業務効率と住民サービスの向上を果たすには、自動化しか解決法はありませんでした。 しかし、ここからが大変でした。何しろ前例がなく、システムへのなじみもない、財政余裕もないの“ないないづくし”。さらに、個人情報やセキュリティへの懸念も加わり、説明し理解を得るのに時間がかかりました。 1年にわたり、市長をはじめ、各方面への説明・説得に駆け回りました。システムをつくる労力にも増して、開発スタートにたどりつくまでの苦労が大きかった。」と、振り返る。 ●システムを見極める厳しい目 |
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![]() ■飯田主幹と小清水主査 ![]() ■システムサーバー |
このシステム、古谷課長の熱意だけで生まれたものではない。ITの可能性を見据えた職員たちが発想の始点にいた。飯田 保主幹と小清水邦秋主査だ。 とりわけ、小清水主査は20年来、電算〜会計〜企画と、市役所でさまざまな部署を経験し、ITの進歩と業務への活用の必要性を体感してきた職員だ。事実CTI分野でも知識が豊富で、メーカー・ベンダー各社への評価も鋭い。 その主査がVOISTAGEを選択したきっかけは、01年2月に幕張メッセで開催された展示会「NET&COM21」のVOISTAGEブースに立ち寄ったことだったそうだ。「電話による自動音声応答システム『プレゼントライン』のデモを体験し、音声認識や音声合成技術がもう実用レベルに達していると感じました。 しかし、自分たちが目指すズバリのシステムは見当たらない。そこでNTTデータに相談すると、最適な開発会社『CTI情報センター』を紹介してもらい説明を受けました。それを聞いていた課長から『これならいける』と言ってもらった。」と、小清水主査。前述の課長の苦労はこのときから始まった。 「コストと機能のバランスが一番とれていた。」と、飯田主幹も評価する。 その主査たちがプロデュースしたシステムを詳しく見てみよう。 |
| ●イン/アウトバウンドの両面で システムは、インバウンド系の「転出届自動受付」、アウトバウンド系の「自動督促コール」、オペレータが対応する「督促コールセンター」の3つの機能で構成される。 転出時には、システムに電話をかけ、水栓番号や電話番号をプッシュし、料金精算方法を指定したのち、転出先の住所を話すことで届けは完了する。水栓番号や電話番号が確認できないときでも、転出前の住所を話すと受け付けてくれる。これらの住所の確認には、音声認識が使用されている。また、インバウンド機能としては、住民からの料金未納入の照会にも対応する。 督促のコールは、市役所にあるホストコンピュータからインポートした滞納データ(未納者リスト)に基づき、指定した日時に自動的に督促コールが発信される。本人名(使用者名)を合成音声で確認したうえで、「○月分の水道料金が未納です。」と案内する。なお、電話に出た人が使用者本人ではない場合は、用件は伝えずに、水道局まで電話を入れてもらうよう伝言する。なお、個人情報にも配慮し、未納金額等の具体的な内容は電話では伝えない。 少し数字を拾ってみよう。2回線の運用で、毎週金(19:00〜21:00)・土・日(9:00〜19:00)の3日間で1,500名にコールする予定だ。単純計算で年間78,000件に発信できるこのシステムは、これまでの年12回・送付数計3,600件の督促はがきと比べ、手間や通信費も含めると桁違いに効率が高い。滞納者への督促は、早ければ早いほど効果があるいう。事実、「確信犯」も多いが、「うっかり忘れていて」という人もかなりいると聞く。そんな人の“記憶をノックする”効果がある。 |
| なお督促は、1回のコールでも効果が大きい小口滞納者が対象で、大口の事業者等の場合は従来どおり職員が出向いて対応することにしている。 督促コールセンターでは、オペレータがパソコンの未納者情報画面を見ながら本人にピンポイントで電話し、納入を促す。画面ボタンのクリックひとつでダイヤルでき、滞納状況や督促コールの履歴、未納者の詳細データなどを一覧しながら、オペレータは会話に集中することができる。 ![]() ■システム概念図 ●Webとの連携や納税分野にも活用 |
| 最後に、飯田主幹に今後の展開を聴いてみた。「03年度以降、データベースを共用しWebでの各種届出にも対応する計画です。さらにこのシステムは、市役所でも評価され、年間30億円にものぼる税金滞納への督促にも活用される予定です。」 地方財政が悪化する中、主査たちの先見力と課長の熱意、市長の英断によって生まれたこのシステム、どれくらいの効果を上げることができるか、いよいよ試される。 |
| 神奈川県秦野市 水道局 〒257-0031 神奈川県秦野市曽屋830-1 TEL:0463-83-2112(代) 秦野市URL:http://www.city.hadano.kanagawa.jp/ |
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●全国の自治体に向け、パッケージ販売 (株)CTI情報センターは、コールセンターをはじめ、WebやFAXのソリューションを数多く手がける。 武田社長によると、「秦野市水道局さんの了解を得て、このシステムを低コストでパッケージ化し、全国の自治体に提案していく予定です。」とのことだ。単なる住民サービスだけに終わることなく、自治体の財政事情にも直接貢献するシステムだけに、ニーズは確実に存在すると読む。 「人口2〜3万人程度の小さな町村にも適用できる1回線のシステム。あるいは、専門のオペレータもセットしたパッケージや、徴収実績額に応じて委託金額を設定する徴収業務のアウトソーシングなど、さまざまなモデルが考えられます。」と語る。 対象や活用分野も、自治体だけではない。公共料金や税金にとどまらず、携帯電話通話料や新聞購読料、各種通販など、顧客数や1顧客あたりの取引回数が多く、比較的安価な債権に関する未収金管理・回収にも幅広く対応できる。さらに、販売管理や会計ソフトとのデータ連携、FAXによる督促状の自動生成・送信も可能だ。秦野市での効果や反響を心待ちにしている、武田社長もそんな一人だ。
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